パ犬

さっぽろ ホラー映画とパンとTinder(卒)

クリスマスの恋人

 

 

本当はお互い休みの明日会う予定だったけど、前回帰り際にすごく寂しそうな顔をしたので前倒しで仕事終わりに彼の所へ行った。家へ着くとパスタを作っていてバタバタ動き回っていた、冷蔵庫を見ると手作りのロールケーキがあって見るのが楽しみ。

キャンドルを買って来たのに火をつける道具が無くて、買いに行ってくるね~と言うと僕も行く!と言うので彼の調理がひと段落するのを待った。彼はこういう時決して私をひとりにしない、私はひとりでなんでも出来るけど彼が一緒にいてくれるのはすごく嬉しい。

買い物から帰ってきてすぐ配膳した、お腹がペコペコで30回くらいおなかすいたと言った。焼いてきたキッシュとテイクアウトした前菜、彼が作ったジェノベーゼとミートソース2種盛りのパスタを並べて、買ってあった白ワインをグラスに注いだ。彼の作ったパスタが本当に美味しくて結婚してくれと思った。

買って来たお花を彼が活けてくれたのが前衛的で良かった、しいたけの原木を買ったので年始辺りにはしいたけ食べ放題になります。

 

片付けが済んだので映画を壁に投影して見た。マフラーとバンドシャツをプレゼントに用意したのだけれど、渡すタイミングを逃し続けて渡せなかったので彼がお手洗いへ行ったタイミングで机の上に紙袋を置いた。彼がリビングへ帰ってきて手を洗って、プロジェクターの前に立って「この紙袋(映画に)被ってない?」と言ったので「あっ○○くんそれサンタが置いていきました!サンタさん来たよ!」と言うと「サンタさん来た!」と言って即効開封していて可愛かった。

マフラーを見てマフラーだー!と言ってニコニコしながらすぐ首に巻いた、暗いブラウンがとても似合っていて、私の選んだマフラーを身に着けている事実が死ぬほどうれしかった。

「サンタさんセンスがいいですね」と私が言うと「ありがとう」と噛み締めるように微笑んでいた、美しかった。リモートワークだから何も選べてなくて、明日見に行こうと彼は言ったけど、わたしは彼から物も貰っているし精神的にも与えられすぎなので何もいらないと思った。彼が幸せそうにしていれば欲しいものなんて何もない。

今まで付き合った人たちにこんなことを言われたらはぁ?買ってないの?とキレていただろうな…と思った。

 

ここからあまり覚えていない。彼とはじめてした、彼は何度も「痛くない?」「嫌じゃない?」と聞いた。彼に触れられて痛かったことも嫌だったことも一度もない、「あなたにされて嫌だったことなんて何もない」と言った。

 

 

 

 

 

 

朝目を覚ますと彼はまだ眠っていた、トイレへ行きたかったけど彼を起こしたくなかったので10分くらい黙って彼のまつげを見ていた。そのうち尿意に限界が来たので片足ずつ抜け出して、あとは腕…とゆっくり離れていくとグッと抱きしめられてベッドに戻された。

 

笑っておはようと言うともっと強く抱きしめられた、「トイレに行きます」「つまり行っちゃうってことですか…」「はい…」「行っていいよ…」可愛い。

 

念願のトイレに行ってシャワーを浴びた。彼はまだ寝ていると思ったので髪を乾かさずにリビングへ出たら、ベッドの上でクリスマスソングを流して「26日にクリスマスソング聞くのって違法?」と言っていた。

パスタのお湯を沸かして「顔めちゃくちゃだから今こっち見ないでね!」と念を押して洗面所に入ると程なくしてコンコンとノックされた、返事をするとお邪魔しますと入ってきて私が持っているドライヤーを取って私の髪を乾かし始めた。彼の手は優しく、髪を撫でるように温風を当てた「熱くない?」と何度も聞かれた。

髪が乾いたのですっぴんのままパスタをゆでていたら彼が横から見てくる、シャワー浴びなさいと言ったらくっついてきて可愛かった、犬みたいで可愛いね。彼の髪からは青りんごみたいに甘い匂いがした。

 

化粧を済ませて朝ごはんを用意してる間彼はロールケーキをデコレーションしていた、抹茶生地に小豆が混ぜてあって店か???ってくらい巻きが上手い。ブッシュドノエルの形に整えて完成です。味も美味しい~どのくらい美味いかというとケーキ屋さんで売ってたらリピート購入するくらい美味しい。茹でたロマネスコブロッコリーに似ていて美味しかった。

 

お散歩でもしようと言ってみたけど特に行きたいところもなくて「ZARAでコートを買おうかな」と言うと行き先がZARAと無印に決定した。彼はさっそくバンドシャツを着てマフラーを着けていた、とても似合っていたので「かわいー可愛い似合うねすごくかわいいね!!」と言うと「インフレでかわいいの価値下がってる!」と言われた。
ZARAで黒のダウンと女の子っぽいピンクベージュを選んだ。彼が持つよと全て持ってくれるので申し訳なかった、完全に「彼女の買い物に付き合わされてる彼氏」だった。まあその通りなんですが…

彼が「サンタさんがどっちも買ってくれるって」と言うので断ると「サンタさんから(現金を)預かってきてるから!」と言うので1着は自分で買います!と食い下がったけど2着とも会計された、その場でタグを切ってピンクベージュのコートを着た。幸せすぎて信じられない…

 

八百屋さんに行って野菜を買った、ビーツを初めて買ったのでリゾットにして食べたらシチューのように優しくて甘くておいしかった。あとクリスマス終わったのに今頃チキン焼いた。

私が帰る時間が近づくにつれなんだか悲しい顔になっていった気がする、明日から3日間ひとりで眠るのか…と呟いていた。彼は今日から年末休みなので自由です、うらやましい~

 

あと10分で家を出なければ帰りのバスに間に合わないという時に深くキスされた、私の太ももを撫でて際どいところを指でなぞって、彼の胸を押してもやめてくれなくて帰るのやめようか本気で迷った。抵抗してもやめてくれなかったのは初めてで正直大層萌えました。

散々キスして急いでコート着て家出た、駅につくまで荷物を持ってくれた。駅構内に入る手前で「キス仕納めしますか」と聞いたら「バス停までストーカーします」とわざわざ電車に乗ってバス停まで送ってくれた。なんて素敵な恋人なんだろうと思う。結局バス停は混んでいて最後にキスできなくて笑った、バスに私が乗ってからも発車まで寒い中待ってくれて、優しくて愛おしくて泣きそうになった。ちなみにこれを書いている今もちょっと泣いている。

 

家について彼に連絡すると「今日はSサイズのパジャマを抱いて寝ます」と返信が来た。可愛いね、彼に出会ってから毎日幸せです。