パ犬

さっぽろ ホラー映画とパンとTinder(卒)

好きな男で処女卒業できた話

 

 

昔から性的な事への嫌悪感と興味が大きい子供だった。

 

 

 

学生時代は恋愛している人を心の中でくだらないと嘲笑して生きてきた、愛なんて素晴らしいのはフィクションだけだと思っていた。(今もうっすらとは思っているけど昔と比べて緩和された)

 

セックスの話なんて聞いた日にはもう汚らわしくて下品で気持ち悪くて信じたくなかった、というか日本特有の「えっちなのはいけない」という刷り込みがあったせいで性的な事に興味があると認めるのが怖かったんだと思う。

 

大人になった今だから分かるけど日本の性教育は本当に遅れている。
そのせいで割を食うのは100%女なのでこの国で性教育問題は改善されないんだろうけど、精神的に男優位な国柄のためかおだてられて育ったセックス(というか根本的なコミュニケーションが終わってる)下手な男が多くて悲しい。

でもこれは別の話なので一旦置く。

 

 

 

私は性的な事に(恐らくだが)周りのみんなと比べて人一倍興味があると自分の中ではそう感じていた。だが興味本位で好きでもない男とセックスがしたいなんて事はまったく考えていなかった。

 

愛する人が現れなければ一生処女でいいと本気で思ったし、本気で好きだと思う男がいなければ今でも処女だったと思う。

 

今まで何人もの異性と付き合ってきて「この人は私の1人目にふさわしいのか?」と考えた結果、22歳まで誰ともセックスしなかった。その場の雰囲気に流されて処女を失うと一生後悔するタイプの人間だと分かっていし、性欲の為に誰でもいいというほど愚かではなかった。

 

 

 

当時付き合っていた彼に対して初めてこの人なら後悔しないなと思った、本当に好きだったし彼に性的な魅力を感じていたし今も後悔はしていない。

初めて致して抱いた感想は「こんなもんか〜」という気持ちが1番大きかった。

実際行為としての快楽はそこまででなく、好きな人と交われる幸福感が大半を占めていて心が満たされるのが心地よいなと思った。

 

私は処女だったが自慰はよくしていたので痛みもなくすんなりスムーズに事が進んだと思う。普通は痛かったり辛かったり濡れなかったりあるんだろうけど、そもそも彼よりも大きなものを使った事があったのでそれが良かったのか悪かったのか最初くらいは性交痛を味わっておけば良かったのかわからないが、とにかく苦痛は全くなかった。

 

自慰と違うのは入るのが人工物か天然物か、自分で動かしているか他人に支配されているかくらいの違いだなと思った。

ただ1人でするのと違うのは相手がいる事でこちらのペースが乱されるという事。私は予想外に驚かされるのが大好きなので相手に委ねて出方を見るのは楽しかった。

 

 

 

今になってやっとわかったが、どれだけテクニシャンでも相手への好意(というか関係性の深さ)がなければ行為中でも真顔になれるくらい不感症になる。身体は反応しても心と脳が無反応なので虚無。演技しなければ「あ」とか「う」とか自然に出る低い声しか出ない。

逆に超が付くほど下手くそでも好きな人なら指先が唇に触れただけで気持ちよくて心が満ち足りるので、テクニックどうこうでなく相手にどれだけの感情を入れ込んでいるかで快楽の度合いは変わるんだなと思った。

 

好きな人以外とする性行為は虚しく無意味な自傷行為だと若いうちに学べてよかったと思う。

 

 

女は脳でセックスするというのは本当で、好きでもない相手と試しても全くと言っていいほど盛り上がらなかった。大多数の男のように下半身でセックスできればある意味楽なんだろうが私は猿にはなりたくないので女でよかった。

これを言うと反論されがちだが男は男とセックスをしたこともないのだから黙っていて欲しい、抱かれる側を経験してからまた来てね。

 

 

 

友人は「処女が嫌だから」という理由で大して好きでもない男と付き合い抱かれていた。

私はその時まだ処女ですごく悲しくなったのを覚えてる、人の価値観なんてそれぞれだけど最初の一回ってすごく大事なのに捨てるみたいにしないでよと思った。そんなしょうもない劣等感であなたの大切な身体を触らせるなんて!と泣きそうになった。

 

男でも「童貞が嫌だから抱かせてください」という人がいていつも悲しくなる。私から見れば一生に一度の経験を適当に済ますという最悪な選択肢だし、もっと美味しく食べられるご飯をわざわざドブに落として素手で食べるようなものである。私には信じられない。もっと自分についてよく考えた方がいいと思う。

 

 

本気で好きな男が現れるまで待って良かったなという話