とんでもねえ男たちの話
昨年は異性関係がとんでもなく濃い年だった。
内訳は交際1、お断り4
非モテの私だが突然のモテ期にはちゃんと理由がある。
歯科矯正によって昨年夏ごろから歯並びが整い、容姿に自信が出てきて歯を見せて笑うことが増えた。
あとは会社に若い女が数人しかいないためよほど横に広いとか不潔とかでない限り可愛く見える。以上。
5月
ビートルズファンのバンド志望25歳A君
いつもモンスターエナジーを飲んでいてヒョロガリの不健康、いつか倒れるんじゃないかと思うと心配になって誕生日にはちょっといいレトルトカレーをあげた。彼は頼りないけど優しくてすぐ仲良くなった。
彼と毎晩寝不足でマイクラをする生活。家を作っては壊し、穴を掘っては埋め、動物を増やしては殺した。マイクラってほぼ同棲じゃんと思った。
気兼ねなく下ネタも悪口も言い合える男友達が出来たのは中学生以来で本当に嬉しかった。
6月
後輩として入社してきた22歳の元美容師B君
第一印象は 3日でバックレるだろうなと思った。B君の体型はまさにエヴァのシンジくんで、腰は細く体は薄く、顔はおいしくるメロンパンのボーカルに激似（友人に写真を見せたら寺田心に似てると言われた）
研修中は椅子から落ちるんじゃないかと思うほど浅く座り、返事は小さく蚊の鳴くような声だった。研修後1発目から引きが悪く客に怒鳴り散らされた彼を見て、この子明日から来ないな…と思ったけど次の日からも普通に来た。意外と強メンタル。
東京から来たばかりという彼は不安そうな顔で長すぎる前髪を頻繁に直し、美容師をやっていたとは思えない下手くそな喋りえっとえっとあっえっとあのその…に不安を超えて母性さえ芽生えた。
大した交流もないうちから彼と目が合う事が増えた。その内2人で昼食をとり、一緒に帰るようになった。歩幅を合わせてトコトコ付いてくる姿は大きな犬みたいで可愛かった。
話しているとひょうきんで内弁慶なナルシストだとわかった、典型的な仲良くなると冷たくなるタイプ。
果てには大通公園で跪かれ「〇〇さん、僕と付き合ってください」と手を握られた。少女漫画の世界に迷い込んだかと思った、今んとこ人生で1番ロマンティックだったのここです！！！！！！！！
決まり手は僕っ子、そしてさん呼び敬語。顔にホクロが多くて気に入ったから承諾した。
B君が入社してから彼とお付き合いするまでの間にA君と一悶着あった。
私とB君がくっつきそうになったのを見て焦ったのか、飲み会では私達の間を陣取り、帰り道では逆方向にも関わらず私達の間に体をねじ込み、仕事中もねじ込み、休憩中はエレベーターの隙間に体をねじ込み「2人で飯食わん？！」と昼食に誘われ、それはもうねじ込みまくりの日々だった。
ネチネチとしたお邪魔虫攻防がしばらく続き、痺れを切らした私はA君に不満を言い、そして流れで告白された。断った。
「私の事が好きなら嫌がらせみたいな事しないで応援してよ」と言うと「ごめん」と苦しそうな顔をしていた。
次の日出勤した時ふと彼の腕を見ると縦に何本も大きな傷跡があった、私は恐怖と共に罪悪感を感じた。この傷跡は今も彼の手首に残っているのだろうか。
9月
B君と順調にお付き合いしてきたがここに来て何か違和感を感じた、意見が合わずぶつかり合った時にこの人話し合いが出来ない。
職場の同僚男性と仲良く話している事に嫉妬、嫉妬に苦しみ何故かラインアプリの削除、喧嘩した際に着拒、など私の理解を超える事が起きまくった。恋人と連絡取れない状況何？？？
議論で互いの不満を解決したい私と、和解したような雰囲気にしたいB君。「別れたいならもう別れようよ」と言う私。
話し合おうとしたらごめんと言って泣く彼。泣くなボケ。でも次の日は元気、それでうやむやにしてしまう私も弱かった。
納得できない私の顔を覗き込んでどうしたの？と微笑むB君、どうしたのじゃねえよ着拒解除しろカス。
確かに表面上は和解している、無理やり自分を納得させるがここから別れるまでずーーーーーっとモヤモヤし続ける。
飲み会の席、机の下で手を重ねたら振り払われた、私はもう限界だと思った。この頃からストレスで唐突に肌荒れしまくる。
11月
些細な事で言い合いになって今までの不満が爆発した。こうならない為に話し合いの場を設けてきたけど、そこで発散できなかった彼への不満を一言口にしたらもう止められなかった。それでも彼は何も言わずしまいには泣いていた。なんでお前が泣くんだよ私が泣きてーよ。
アホくさと思った、ここではもう逆に笑顔。赤ちゃんかな？と思ったのでごめんね泣かないでと頭を撫でると逆ギレされた。
泣いた彼を見て冷静になって「話し合えないなら帰ったら？」と言った。彼の家はここから徒歩10分だった。彼が体育座りしてちっさくなったまま何も言わないので「帰るってことは私達もう終わりだけどね」と追い討ちをかけて広すぎる洗面所でガウンを脱いだ。
私は晴々とした気分でシャワーを浴びた、鼻歌も歌った！久々にスッキリした気分だったし行動力のない彼はどうせお布団にでも包まっているだろうと高を括っていた。
部屋に戻ると彼の荷物も靴も鞄も変な模様の入ったクソダサい腕輪も全部無かった。は？ここで帰るやついる？？キレそう。泣きながら友達に電話して、泣き疲れて眠った。次の日は頭が痛いと昼まで眠り仕事をサボった。彼はいないがニキビだけは私のアゴに居座った、お前も帰れボケ。
今も彼を憎む時がある。クソ野郎が私の肌をこんなにしやがって、痔ろうになってケツの穴増えろ、と思っていたら最近気胸で肺に穴が空いたらしい。仕方がないので肺で妥協した。
12月
友人の友人で意気投合した23歳のC
部屋がめちゃくちゃ汚いとの噂を聞き、他人部屋お掃除大好きマンの私は早速お部屋へ伺った。
ドキドキ♡ハプニングなどはかけらもなく大掃除を終え、ラーメンを食べたりFPSでブチ切れているCを見て交友を深めた。彼は190センチあったので低身長の私から見たら優しい巨人だった。
まぁ別に優しくはなかったし、プリウスに乗ってるスピード狂だったのでタイヤパンクさせようかなと思った。
付き合おうと言われたので、今は誰とも付き合いたくないと言ったら罵られてブロックされた。
B君と別れた後、実家が寺の29歳Dさんからダイレクトアタックを受けた。正直全然好みじゃない、恋愛対象の判断基準がキスできるかどうかなんですがDさんとは完全にできない、人としてはめちゃくちゃ好きだった。
どうしてこうなったかミュンヘン市へ行きホットココアを飲み、クリスマスに飲みに誘われ、酔いが回った所で手を握られた。うわ頭ぽんぽんはマジでキツいです…
社内で波風立たせたくなかったから穏便に優しく断った。
その場では「B君と終わったばかりで考えられないよね」と大人の対応にほっとした。その後普通に接していると、突然長文ラインで「俺の事馬鹿にしてるんだろ？！」と謎の被害妄想で怒りまくりのDさん。人間としては尊敬してたにで普通にショック悲しみだけど腹立ったから言い返したら尻軽クソビッチ！と捨て台詞を吐いてブロックされた。何？怖…
散々私を罵った後に「俺が〇〇さんの好みの男だったら付き合ってた？」と聞かれ、めちゃんこ優しい私も流石に腹が立っていたので「あなたの顔好みじゃないの分からないです」と言ったら怒っていた。ワロタ
振られてキレるってなんだよ器ちっせえなそんなんだから振られんだよバ〜〜〜〜カ！！ボケ！ハゲ！！！！！！
22歳のEさん、普通の人。笑いのセンスが合わない。好きですと突然キスされてビビったけど疲れてたからもうどうでもいいかと思って許した。面白くないから省略。
社内の数少ない20代の男から告られまくったせいでサークルクラッシャーのような扱いを受けたけど、マジで普通に接してるだけだからそんな事言われてもと思った。
モテるの辛いよ〜とか言ってる女キショ！どうせ誑かしてるんでしょ？！と思ってたけどこの立場になってマジでわかる…と思った。
惚れやすい男共に節度を持てと言ってくれないか、好きでサークルクラッシャーやってるわけじゃないので…
男女関係なく異性関係で勘違いしやすい人にこの話をすると絶対に怒られる、勘違いマンにとっては目があって微笑まれる事すら勘違いの原因なので、関わらないのでお互いにとって良いのだなと思った。
彼らのその後
Aくん→社内の女性社員とお付き合いしてる
Bくん→昇進のタイミングで飛んだ（なぜ今）
Cくん→音信不通
Dさん→あの後すぐ退職
Eさん→就職決まって退職
学び
・人を愛する事は楽しい
・恋愛経験が少ない人に優しくすると好意持たれがち、男友達を選ぶなら遊び人が良いのかも
・振られた時に暴言吐いてくる奴はヤバい
・たまに喧嘩するとアドレナリンドバドバで楽しい
・大した価値がなくとも手に入らない物は価値があると錯覚する（自他共に言える）
Bくんとのいざこざがあってから自分の意見がはっきり言えるようになった、言わなきゃ伝わらない事は積極的に言葉にしていこうと思った。
以上
